汚職とどう立ち向かうのか

　上海市委書記の陳良宇が汚職で解任されたニュースが流れた平成18年9月下旬はびっくりした。今回は依然と続く汚職摘発に中央も積極的に取り組む姿勢を内外に示したものといえよう。4月29日に行政機関公務員処分条例（国務院令第495号）が公布された。（6月1日施行・55条からなる。）依然としてなくならない汚職とどう立ち向かうのか？実際のところ、中国に根深くある汚職は見つからなければなくならない。中央と地方の関係は依然として距離感があると思われる。
　
　平成18年1月5日～6日党中央規律検査委員会の会議の席上、中共総書記胡錦涛が不正、賄賂などの汚職摘発に厳しく取り組むことを表明している。にもかかわらず従来から続いた上海市委書記陳良宇の不正は止まなかったみたいだ。企業年金を地方政府（上海市）が運用する際は、リスクの低い運用方法をとることになっているが、上海市政府が関係する金融機関を通して一投資会社に融資していた疑い。
（写真は陳良宇　元上海市委書記：平成14年9月上海市内にて撮影）

　このようなケースは現在も中国で行われていることは誰でもわかっている。平成15年4月には貴州省党書記　劉方仁が摘発された、上海F1レース場疑惑などもある。中国にとって大型案件で責任ある立場の人間が逮捕される事態は今後絶対避けて通りたいところだ。

台湾との友好事業 明と暗

あれ？中国・台湾との交流関係者が持った疑問。
偶然、同じ日に地元新聞の１面が台湾関連記事になった。
石川県は今能登半島地震の風評被害との戦いをしている。急遽昨年夏映画化された釣りバカ日誌の三国連太郎、西田敏行を「観光大使」に任命、俳優仲代達矢が能登演劇堂で来年の公演
で、能登を元気づける内容にする旨の石川県知事との対談ニュースもあった。

「八田技師のアニメ映画化、来年夏劇場公開」
　日本統治時代に台南で烏山頭（うさんとう）ダムを建設し、用水網の整備に尽くした石川県金沢市出身の技師・八田與一（はったよいち）を題材にした長編アニメーション映画の製作発表。

「長井賢誓石川県議会議長逮捕」
　さきごろ行われた県議選で買収容疑、票の取りまとめを依頼したとされる。83歳という年齢からいって引退するつもりだったと思うが、後継者、自民党内の主導権争いなどもあり思ったほど票が伸びず、落選。前回も16番目（最下位から２番目）という薄氷の当選であった。平成18年6月27日に県議会議長に就任、北陸３県の県議会議員の台湾との友好団体も設立し、台湾との有力者とパイプをきづいた。八田技師の墓参事業も長年続けていた。

唐山地震から31年。（河北省唐山市）

唐山地震は1976年7月28日午前3時42分、マグニチュード7.8の直下型地震が襲い、唐山市はほぼ壊滅状態となった。先日「中国大地震」（唐山地震）が描かれたビデオが出ていたので、見てみると、前兆現象がいくつかあり唐山市当局も避難命令の勧告の是非などをめぐり議論されている様子が描かれていた。

私が住む石川県でも能登半島地震が3月25日午前9時42分起こった。現地を視察すると小さなお寺が丸ごとペシャンコになっていたり、小学校の玄関も段差10センチのひび割れが数ﾒｰﾄﾙにわたり生じたり道路も各地で寸断、いろいろなところで被害が生じていた。現在も復旧中であり、今日は谷本正憲知事が建設が進む仮設住宅6箇所をすべて訪問したニュースが流れ、復興のきざしが見られつつある。

北陸電力が「臨界事故隠し」をした最大の汚点のため志賀原発1号機、2号機とも運転停止中の地震であったため、事なきを得た。国の原発に対する耐震設計基準（以前）の想定を上回る数値が算出されてもいる（北陸電力発表4･19）。最近終わった裁判では国に対する原発設計基準見直しを迫る判決内容。

唐山市は陶磁器が以前から盛んであり、北京から直線道路で約２時間で着く。街自体はすでに整備され、すっきりした町並みとおいしい料理はもちろん、日本企業も多く進出しています。陶磁器業が盛んな石川県をはじめ日本の陶磁器業で唐山市に関心がある方は唐山市が日本事務所を構えており、相談されてもよろしいかと思います。

抹茶でいっぷく 温家宝首相

抹茶を味わった温家宝首相。テレビ画面で見ると日本の文化を体験する印象が残ったけど、京都に来ていることがわかる程度で終わり、日本向けの印象。トラクターの乗車体験、野球のピッチング練習やバッティング風景は中国国内向けの印象を受けた。


今年後半に安倍首相の訪中（にせもの対策などの国際的枠組みづくり、環境に配慮した産業国家づくり、新幹線計画にどんな形で参画するのか？）。来年前半に胡錦濤首席の訪日（オリンピックイヤーのトップ外交、上海万博へのスムーズな国内世論、国際世論の移行時期）が控えている。「氷を溶かす旅」から来年の訪日はどんな旅になるのでしょう？首席の訪日はどんな位置づけがされるのでしょうか。

気さくな温家宝首相

「オーシー、ウエンジャーパオ。（私は温家宝です。）」ﾃﾚﾋﾞﾆｭｰｽで朝の様子を写していた。あまりに気さくな姿にびっくりした日本人女性のコメントが出ていた。新聞などでは決まって庶民的行事に参加している様子が出ており、気さくな姿のイメージがある。

格差社会は日本にもあるが、中国にも、アフリカ、中南米にもある。報道などで知る限りであるが、程度レベルの差が歴然とある。医療を受けられるのが当然な社会、毎日の晩ご飯の心配をしないで済む。ゆっくりとお風呂につかれる贅沢な社会、日本。贅沢さだけを追求し、貧困に目をそむけてきたようだ。

氷を溶かす旅とはなんとも中国らしい表現だと思う。首脳同士の頻繁な意見交換が両国民の活発な交流を後押しをするであろうし、建設的意見が出てくるだろう。